サルにもわかるフッサールの現象学講座4

 

110 名前:若頭[] 投稿日:2000/02/07(月) 09:52

ドイツ観念論のアウトラインと現象学実存主義との関係。

本当は「ドイツ観念論」いう述語はワシには意味不明なんや。そやけど、カントが自
分の哲学を「先験的観念論」と言っているので、カントについて少しだけ。
カントには『純粋理性批判』『実践理性批判』『判断力批判』ちう三大批判書がある。
そこで何をやったか、サルにもわかるように書いてみる。

カントはそれまでの形而上学的問題〈時空・時間の謎や、神はいるのかなど、このス
レッドの文脈で言えば「客観」とか「真理」〉を「先験的アンチノミー」いう方法で処理した。
 
どういうことかというと、それぞれの問題の正命題・反命題のどちらとも
証明して、命題自体を自己矛盾に陥れたわけや。

時間の問題やったら、その起源があることも無いことも証明して、二律背反〈アンチノミーに追いこんだ。
カント曰く、人間の理性はこのような問題(神とか真理とか)をどこまでも追いつめ
たがる習性がある

しかし、上の処理で明らかなように、人間の能力は限定されたものだから、世界そのもの(物自体)を認識することはできない。
 
そこでカントは、人間に認識できる世界と出来ない世界をきっちり二つに分けた。
前者を現象界、後者を可想界。可想界みたいなもんはどうしようもないから放っておく。
そんで、現象界はさらに単なる存在ザイン)と、あるべき姿の当為(ゾルレン)に分けられる。
ゾルレンゆうのは要するに「道徳」みたいなもんで
「君の意志の格率が、常に同時に普遍的立法の原理として妥当しうるように行為せよ」
という有名なテーゼに行きつく。一日一善、人類皆兄弟、笹川良一みたいなもんやな。
 
とまあ、カント哲学をスケッチするとこうなる。ワシはカント詳しくないから、間違っ
てはないと思うけど、足りない部分はあると思う。でもまあ、2年も3年もかけて読ん
で貴重な時間無駄にするよりはましやろ。
現象学との関わりは、形而上学的問題の不毛さをこのまま放っておいたらあかん、と
いう問題意識やな。それは共通しとる。